「女性と子どもの権利を守る同行支援とは」
講師 法律事務所たいとう 弁護士 吉川 由里氏
●弁護士が出会う「DV」
「夫から暴力を振るわれていて、つらい」、「夫(妻)から離れたら、生活できない」、「夫(妻)に出て行ってほしい」、「子どものために、離婚、引越しはしたくない」、「離婚したいけど、夫(妻)が応じてくれない」など、DVや離婚に関する相談事例と、それに対する弁護士の立場からのアドバイスの例を聞いた。
●家事調停の基本的知識とポイント
あくまでも「お話合い」、裁判所はどちらが正しいor間違っているとは言ってくれない、誰かに話を聴いてもらった満足感も重要。「同行支援」は、家事調停の進み方を踏まえて、相談者の不安の軽減や自己決定を促すなど、DV被害者の人権を守る意識が重要である。
●児童福祉の視点からDVと児童虐待を考える
DVはそれを目撃した子どもに心理的な傷を負わせるため「児童虐待」である。健やかな成長を保障する「人権擁護」の視点をもって対応しなければならない。
●カリヨン子どもセンターの実践
カリヨン子どもセンターは、「子どもシェルター」と「自立援助ホーム」を運営している。未成年者には親権問題があるほか、子どもの伴走者・代弁者となるため、個々に担当弁護士が就く。ケース会議には、必ず子ども本人も出席する。対象の子どもたちが「安心」して「自信」をもって自分の人生を「自由」に進むための支援を行っている。
■アンケートから■
・今回の講義が実践的な内容であったことはとてもありがたかった。今後の業務に生かしたいと思う。
・午後のロールプレイでは、様々な役割から多くの学びがあった。同行支援者の役割は、思ったより大きなものだと気づいた。相談者の気持ちを受け止め、一人ではないんだと思っていただくことが大切だと思う。
・同行支援の立場、立ち位置、役割の大切さ、また、相談者の気持ちを受け止める大切さが大変勉強になった。また、子供の権利を守りながらの支援の難しさを改めて勉強したいと思った。
■明日からでもできるサポートとは?■
・相談を社会化することを意識しようと思う。
・相談者などか困っている気持ちを代弁することにより社会の仕組みを少しでも変えていけるようにする
・面前DVを行わないように気をつけていきたい。